親と子ども、それぞれにメリットがある遠距離介護。メリットは、お互いの生活環境を変えずに済み、それぞれの精神的、身体的負担が最小限に抑えられることだ。また、介護保険サービスが利用しやすくなるといった現実的なメリットもある。
しかし、デメリットがあることも事実だ。
メリットとデメリット、両方を知ることで、どのような介護方法が合っているのか見極めていこう。
多くの人がデメリットと挙げるのが、親の元に通う際の苦労である。これは、人によって事情は様々である。
家からかなりの距離があり、移動に半日ほどかかる人もいるだろう。その場合、交通費が多くかかることや移動だけで疲弊してしまうことも予想できる。また、日帰りも難しいため、宿泊を考える人も多いかもしれない。こういった場合、宿泊費はもちろん、その際の仕事や家事の調整もしなければならないだろう。
一方で、家から短時間で移動できるような近距離であれば、比較的近くてそこまで大変ではない、と思う人もいるかもしれない。しかし実際は、比較的近いからこそ週に何度も通ってしまったり、日ごろ付き添えないからと無理をして予定を調整したりする人もいるだろう。
一度の交通費は少なくても、それが重なると大きな出費になる。また、無理な予定調整は、自分の時間がとれなくなり精神的に追い込まれてしまう。このように、自分の生活を守ることと、親のために何かをしてあげたいという気持ちの折り合いの付け方に、頭を抱える人も少なくないだろう。